塾講師の雑談③

冬休みも終わり三学期が始まりました。

今年度の冬休みはコロナで学習進度がおくれたこともあって、休みの期間が2週間無かった小学校が多かったそうです。(保護者さんからの情報によると)

中学受験をされる受験生の小学生や親御さんからすれば受験試験日まで1か月を切って追い込みの真っ最中であるかと思われます。

くれぐれも睡眠や食事など基本的なところから体調管理と精神的に追い込みすぎないように頑張ってください。

あと、ちょうど出願期間中の中学校もあるので親御さんには出願時に必要な書類に不備がないか二重三重に確認して臨まれることをおすすめします。(言われなくても皆さんきちんとされているとは思うのですが毎年1人か2人の親御さんから書類不備で大変でしたと事後報告があるとかないとか)

 

それから、大学入学共通テストは今週土曜日16日から17日に行われます。

去年の10月頃に出願者数が大学入試センターから発表されましたが16日・17日の試験に出願した人数は53万5,244人で第二日程の30日・31日の試験に出願した人数は789人でした。

ここで、ちょっとした小話といきます。

全大学の定員数が約60万人(そのうち国立大学の定員数が約9万人ちょっと)なので、人数的にはもはや収まる計算になります。

ペーパーテストでのみの偏差値という個性しか試験(一般受験)でみられないこともあり、偏差値の低い特に地方私立大学では定員割れによる経営不振も深刻になっている噂を聞きます。どの程度真実か分かりませんが。(偏差値以外の基準でみれば偏差値の低い大学の中にも教育・研究両方の機関として素晴らしい大学もあるとは思います)

一部の大学教授や一部の教育評論家の方は大学が無駄に多すぎるから半分に減らしていいのではないかという意見の方もおられるとか。

まあ、個人的には浪人生を含めても毎年定員割れする大学が200校以上あることを考えるとその意見も理解できます。

ただ、日本の教育制度をどうするかという視点と実際に受験をする人の視点では考え方が異なるとは思います。

教育制度を抜本的に見直すことを考えれば、実は国公立大学だけではなくて私立大学にも補助金などの税金が投入されているので、そのことも一つの問題として定員割れしている大学の補助金を単年だけ打ち切るとかはやってもいいかもしれません。ただ、大学側は授業料を上げたくないので(人がもっとこなくなるから)経営はもっと苦しくなるでしょうけど。

受験生の立場から考えると、首都圏在住であれば大学も多いですし偏差値上位校・中堅校も固まっていて選択肢が多いのであまりマイナスはないかもしれません。もちろん、大学が減れば残った大学の出願者数は自然と増えるので倍率は高くなりますが。

一方で地方の受験生は首都圏の大学を受けない方も一定数おりますので、そのような受験生は地元の国公立大学(地方だと第一志望になることが多いです)と私立大学を受けることが普通です。

地方では滑り止めとしての私立大学が少なくなることで結果的に地方私大の倍率が高くなり、偏差値も微妙に上がり軽い気持ちで滑り止めとして受けることがなくなるので、そのこと自体は日本全体としては学生の質を上げることになる(今だと一部の大学の講義で中学英語を復習しているクラスすらあります。高校卒業して就職した人のほうが学力が高いこともあり得る状況でそういう大学を卒業した人は高い授業料をはらいギリギリ単位だけ取りほぼなにも学ばずに大卒資格だけ取って就職するというなんともこれでいいのか考えさせられる状況です)ので良いのですが、地方大学を受験する地方在住の受験生からすれば今まで以上に負担がかかることはあるかもしれません。

少子化と大学が増えすぎていることをどのようにみるかということなのですが、実は一度創立された大学がつぶれることを見過ごすようなことは国も文科省もしないんですね。全国をみると補助金比率が5割超える大学もあるんです。

きちんと経営も順調で研究成果もありその結果正当に(正当と書いたのはすべての助成金をもらっている大学は正式に申請して通っているから当然助成金がきているのでここでいう正当とはそういう意味ではないです)助成金をもらっている大学もあるので補助金比率が高いだけではテコ入れされているとは言えませんが、ほんとに補助金比率の高い大学がすべて教育機関としてまた研究機関として成果をあげているかは疑問です。

もちろん経営がどうしようもなくなりつぶれる大学もありますが、大学の創立年表をみると1949年にものすごく増えてそのあとも60年代・70年代から80年代にかけてコンスタントに大学が増え2000年代にも一時期かなり増えました。つぶれた大学も消滅よりも合併・統合が多かったため大学の増加に繋がったことは確かです。

出生率が上がっていたときは良いのですが、少子化になっても教育体制があまり変わらなかったため今の定員割れが当たり前の状態になりました。

市場原理にまかせれば自然淘汰されるという見方もあったでしょうけど国も黙ってつぶれるのを見過ごせず中途半端にテコ入れするので本来つぶれるところが延命している大学もゼロではないでしょう。良し悪しは皆様方それぞれの立場や価値観によりますのでそれぞれで考えたらいいと思います。

とまあ、今回は私見が強すぎる記事になりましたが、率直に書きました。

最後に受験生と親御さんに一言、今までの努力が実ることを願っています。

それではまた^^。